東南アジアの小国・東ティモールは、1975年以降20年以上に渡りインドネシアの軍事侵攻にさらされました。その間、人々は総人口の3分の1の命を失いながらも巨大な軍を撤退させ、2002年に独立。奇跡と言われる平和を実現しました。
その鍵となったのは、人々の「対話の力」と古い土着の精神性。「あなた」と「わたし」を隔てない ― 同じ大地から生まれた命を敵と味方に分けたりしない ― 心持ちでした。
今回講師としてお招きした広田奈津子さんは、独立当初から現地に何度も赴き、多くの人々と交流する中でこのことに気づき、それを10年かけて映画にまとめました。
講座では、映画を観た後、戦争・パンデミック・気候変動等に直面するこの混迷の時代を、どう希望あるものに変えていくかについて、質疑応答を交えながら共に考えました。

「歴史を動かす力はいつだって若者から起こるはず」 そう語る広田さんが、この映画を作り始めたのは大学生の時。そしてこの講座企画を発案し2年越しで実現させたのは、今回司会を務めた現役の明和生です。平和に向けて、希望に向けて、一歩踏み出す。その現場に自分たちが身を置いていることを、肌で感じられる講座となりました。
(7月25日、於本校視聴覚室、参加者36名)
