3回目の講義では、森 名誉教授より、モデル生物 C. elegans(線虫)において、「温度の記憶」や「空腹度による行動変化」がどのような神経回路で実現されているのかなどについて学びました。
1.温度を“記憶する”神経細胞 AFD の発見とその仕組み
温度を感知する神経細胞 AFD が、過去に経験した温度を“記憶”して行動を調整すること、さらに AFD の下流にある AIY細胞が空腹状態などの内的情報に応じてその信号を変化させる仕組みが紹介されました。
2.行動を決める神経回路と意思決定モデル
「餌があるか・ないか」×「覚えている温度」という情報を組み合わせ、探索するか、留まるかの行動を選択します。この意思決定は AFD-AIY を中心とする神経回路だけでなく、筋肉細胞やホルモンなどの 非神経細胞の働きにも支えられていることが紹介されました。
3.最新技術を駆使した行動解析:自動追尾・オプトジェネティクスの紹介
生物学の研究が、情報科学・物理学・工学など多分野の協力で進むことを初めて知りました。
最新技術と多分野連携によって明らかになりつつある“意思決定の仕組み”は、将来的に人間の脳科学や行動研究にもつながる可能性を秘めていることも知りました。
生徒の感想
「温度走性の実験で、線虫がエサがあった温度を好むという結果は、行動が経験に基づくことを示していて興味深かった。小さな生物でも経験が行動に影響することに驚いた。」
「ランダムに神経細胞を壊すという方法は、一見むちゃくちゃに見えて、実は行動と神経の関係を知るための合理的な方法だと感じた。」
「とても小さな線虫にも、学習や記憶のような複雑な行動があることに驚いた。」
3回の講義を通じて、生徒たちは線虫を用いた研究の最前線を体感し、生命科学への関心をさらに深める貴重な機会となりました。
































