令和7年度SSH記念講演「睡眠の謎に挑む」

 10月23日(木)に、筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構 機構長の柳沢正史先生を講師に迎え、記念講演を開催しました。 

 最初に柳沢先生が本校生徒の睡眠時間を挙手で確認されたところ、本校生徒の多くが恒常的に睡眠不足であることが発明しました。日本の中高生の多くが同じ状態であり、個人差はあるが高校生の年代なら8.5時間は寝ないと足りない、大人でも睡眠時間が足りていると思っている人の約4割は隠れ睡眠不足の状態である、という説明がありました。睡眠不足は個人の身体的な健康や、精神的な健康に留まらず、社会の生産性大きく影響していることを、豊富なデータを示しながら説明していただき、睡眠は思っているより多くのことに影響することが分かり、しっかりととる必要があることを改めて認識しました。

 また、「オレキシン」を発見した際のことも話してくださいました。当初期待していた働きと実験結果が食い違い、一度は解明を諦めかけたそうです。しかし、あきらめずに実験・観察を続る中で、オレキシン欠乏に伴うナルコレプシーの症状に似ていることに気づき、「オレキシン」は睡眠・覚醒に大きく関わる物質であることが解明されました。世界初の発見をする難しさと研究の面白さがよく分かりました。

第74回定期演奏会のお知らせ(再掲)

明和高校音楽科 第74回定期演奏会を以下の通り開催いたします!

令和7年11月19日(水)16:15開場 17:00開演

愛知県芸術劇場コンサートホール

演奏会の詳細は以下のページよりご覧ください。

コンサート・公開試験 – 明和高等学校 (aichi-c.ed.jp)

入場無料 全席自由・要申込 入場券は以下URLよりお申込みください。

https://teket.jp/6619/53017

校外学習 大阪・関西万博 見学

先日閉幕した大阪・関西万博ですが、9月17日(水)に41名の生徒で校外学習として見学してきました。

当日は渋滞の影響により、当初の予定より少々遅れた会場への到着となりましたが、事前に予約したハンガリー館や日本館をはじめ生徒それぞれに興味のあるパビリオンの見学をしました。

明和祭に関するお知らせ

明和祭に関する情報はWEBサイト「明和祭2025」に詳細を載せていますのでこちらをご覧ください。

https://meiwa.website/School_Festival2025/

熱中症対策について 

 ・体育館内は熱がこもりやすく、熱中症の危険があります。特に劇については十分な対策をとった上で鑑賞をお願いします。うちわ、アイスタオル、凍らせたペットボトルなどを用意すると効果的です。 

 ・積極的に水分の補給をお願いします。ただし、フロアに水滴が落ちないようタオル等で包むなどご配慮ください。 

 ・劇については本館2階被服室(冷房完備)にてライブ配信を行いますのでご利用ください。 

サイエンスツアー 岐阜

 8月8日(金)に実施し、午前中はフィールドワークの事前学習として瑞浪市化石博物館を訪れ、その後、化石採集を行いました。

 瑞浪市化石博物館では、学芸員の安藤佑介先生から瑞浪周辺で産出された化石の説明をはじめ、化石から古環境を推測する方法やフィールドワークで化石採集をする際のポイントをわかりやすくレクチャーしていただきました。「自分たちの住んでいる地域が昔は海だったという事が化石から読み解けるのか!」と化石と昔の大陸地図を前にワクワクしている生徒もいました。

 その後は野外学習地にて化石採集です。暑さが心配されましたが、全員夢中で化石採集にはげみ、貝や植物、サメの歯の化石を採集することができました。化石博物館で教わったことを生かし、「これは海が浅かった時の化石かな?」と早速化石から古環境を推測する生徒もいました。また、思ったように化石を見つけられず、化石採集の難しさに直面している生徒もいました。『実際は想像したようにうまくはいかない』こともフィールドワークに出てみないとわからない大切な学びです。

 午後は東濃地科学センターを訪れました。

 東濃地科学センターでは、日本原子力研究機構で研究されている地層処分や地質調査の方法、年代測定技術の重要性について教えていただきました。その後、研究室を見学し、実際の研究者の方々から研究内容のお話を伺ったり、年代測定器を見せていただいたりしました。

 研究者の方に研究のやりがいについて質問する生徒や、年代測定器の仕組みや大きさに驚く生徒、実際に研究で使用された難しそうな数式が書かホワイトボードを見て学校での数学の授業の大切さを実感する生徒など、それぞれ違った視点で学びや新たな気づきを得られたようです。

全国SSH「生徒研究発表会」

8月6日(水)・7日(木)に、神戸国際展示場にて生徒研究発表会が行われ、本校から2年生の3人が参加し、「共振を用いたワイヤレス給電における波の形状と送電効率の関係」というテーマでポスター発表を行いました。

全238件のポスターが並ぶ中、明和高校ブースにもたくさんの方が訪れ、熱心に発表を聞いてくださいました。

実際に実験で使用したコイルや、説明用のスライド資料を使い、わかりやすく解説するよう心がけました。

最終選抜グループ10件には手が届きませんでしたが、他校との情報交換や技術資料の提供を受けるなど、実りのある発表会となりました。

MCスプラウト 数学 夏の学校「連分数とフォードの円」

令和7年7月29日(火)、中部大学現代教育学部教授の糸健太郎先生に「連分数とフォードの円」というテーマの講座をお願いしました。参加者は34名でした。

まず初めに連分数について分母の中にさらに分数が入っているようなものだと説明をしていただきました。連分数は長方形の中をたくさんの正方形で埋めるような意味合いがあるという説明に加え、実際にA4用紙を折るような活動もしました。参加者は、手を動かしながら連分数とその図形的な意味、さらに黄金比についても理解を深めることができました。また実際のひまわりの花の画像を用いて、自然界にどのような形で黄金比が現れるのかの活動もありました。後半はフォードの円という定直線とそこに接するようなたくさんの円を考えていき、うまく設定をすると連分数と黄金比、さらにフォードの円がつながっている様子がよくわかるような構成でした。

MCスプラウト サイエンスツアー「関東研修」

8月4日(月)から8月6日(水)の日程で、2泊3日の関東研修を実施し、1・2年生合計30名の生徒が参加しました。

1日目は、JAXA筑波宇宙センターと高エネルギー加速器研究機構【KEK】で研修を行いました。

JAXAでは、宇宙航空研究開発機構 チーフエンジニア(有人部門担当) 坂下哲也氏より、宇宙生活や宇宙開発等宇宙全般におけるご講義をいただきました。宇宙環境やISSでの生活・実験の内容、また理学・工学といった将来の選択にかかわる内容を話していただき、生徒の進路選択の糧をいただきました。その後は展示室で実際に使われていた人工衛星の模型などを見学しました。

KEKではまず小林誠先生(明和高校卒業生・ノーベル物理学賞受賞者)より「量子力学の100年」と題して、ご講義いただきました。2025年が量子力学誕生から100年の節目ということで、ラザフォードの実験、ボーアの原子模型からハイゼンベルクの行列力学、シュレディンガーの波動力学までの話をしていただきました。その後、BelleⅡ測定器とフォトンファクトリーを見学させていただきました。両設備とも点検中ということで実験施設内まで入らせていただき、間近で説明をしていただきました。

2日目は、気象庁地磁気観測所へ行きました。初めに地磁気観測歴18年というベテランの長町信吾氏から地磁気の諸要素や地磁気観測の方法とそこから分かることなどについてご講義いただきました。その後、実際に地磁気観測を体験させてもらい、その結果から芝生の中に埋められた強力磁石の場所を探るという実習を行いました。初めて学ぶ内容で高精度な観測器具も用いての実習ということもあり、印象に強く残る実習となりました。その後、各施設の見学をさせていただきました。昔からの機器も現役で使われている一方で、ロストテクノロジーになっている機器もあり、地磁気測定の難しさが分かりました。

3日目は、東京大学大学院理学研究科の塩見美喜子先生の研究室を訪問しました。塩見先生からは「小さなRNAによる生体の仕組みの制御」と題して、ご講義いただきました。遺伝子の量は体のつくりが複雑な人間と体のつくりが単純な実験動物であまり変わらないが、複雑な生物には選択的mRNAスプライシングや非コードRNAの働きによって複雑さを実現していることなどを学びました。その後、塩見先生の研究室に所属している学生の方々から受験や大学生活についてお話しいただき、大学構内を案内していただきました。

また、明和高校の卒業生である現役東大生との座談会を行いました。高校の先輩という身近な存在であるおかげで、受験のことや理系・文系の選択や学部の選択について、ざっくばらんにお話を聞くことができました。

今回の関東研修で、生徒たちは多くのことを学び、充実した3日間となりました。そして高校卒業後の進路や研究したい分野、将来の職業について考える良い機会となりました。

MCスプラウト 数学 夏の学校「数学と身近な現象 コロナ禍から渋滞まで」

8月1日(金)、名古屋大学大学院多元数理科学研究科教授の大平徹先生に「数学と身近な現象 コロナ禍から渋滞まで」というテーマの講座をお願いしました。参加者は44名でした。

数学が世の中でどのように使われているか、4つの例で教えていただきました。

1つ目はコロナの感染予測についてです。SIRモデルを使って感染者数のピークを低くする方法を提言したり、ビッグデータを用いて人々の活動と感染者数には2週間程度のずれが生じることを発見されたりしました。潜伏期間を考慮するための遅れ微分方程式も紹介されました。

2つ目は集団行動についてです。まず、渋滞が起こる仕組みを説明していただきました。「最適速度モデル」に遅れや揺らぎを考慮すると、自然渋滞の発生が観測できました。次に、ひばりや魚などの群れの様子を、数理モデルを構築し、コンピュータグラフィックスによるシミュレーションで再現していただきました。

3つ目は暗号についてです。1960年代に提案された「公開鍵暗号」が1977年に「RSA暗号」として実現され、今も使われていることを教えていただきました。

4つ目は追跡と逃避についてです。単純なルールを複数重ねることで、自然界で行われる動きと同じような動きをすることを見せていただきました。

どの話も本来は難しい内容であると思いますが、かみ砕いて分かりやすく話していただき、数学を身近に感じることができました。