「科学三昧inあいち2024」に参加しました!

12月25日(水)、自然科学研究機構岡崎コンファレンスセンターにて「科学三昧inあいち2024」が開催されました。冬休み中に行われるこの研究発表大会は、毎年とても楽しみにしている行事で、SSH部各班の39名と、今年度の海外研修に参加する10名が参加しました。化学班の2名が「ムペンバ現象と対流」というテーマで口頭発表を行い、他には全班で22本のポスター発表を行いました。大学の研究者や、他校の高校の先生方から貴重な助言をいただくことができ、今後の研究に向けた意欲が増しました。

また、多数の大学や研究機関のブース発表もあり、最先端の研究に触れることができました。研究内容から刺激を受けたことはもちろんですが、高度な内容をわかりやすく紹介する方法や体験的な展示もあり、今後の発表方法の参考にもなりました。

古代エジプトを科学する

12月24日に、中部大学国際関係学部の中野智章教授を講師にお迎えして、講座「古代エジプトを科学する」を実施しました。

中野教授は、ライデン国立博物館所蔵 古代エジプト展(愛知県では2020年に開催)の監修をされるなど、エジプト考古学の第一線で活躍されています。これまでの研究から得られた知見や現地調査の経験について、非常に興味深いお話を伺うことができました。

遺跡の3次元計測やミイラのCTスキャンなど、最新の科学技術を用いた新たなアプローチで古代エジプトの社会・文化や当時の人々の生活の様子が明らかになっていく過程は、聞いていてとてもワクワクしました。

先生はスラスラと象形文字を板書され、その読み方も教えてくださいました。古代エジプト人の暮らしに関するさまざまな質問にも丁寧に答えてくださり、知的好奇心が刺激される講座となりました。

サイエンス・ダイアログ

日本学術振興会主催のサイエンス・ダイアログを、今年も本校で開催しました。京都大学iPS細胞研究所のAhmend Mohamed Rashwan先生と藤井佳穂先生が、ヒトiPS細胞を用いたインスリン遺伝子異常糖尿病の病態解明と治療戦略についてお話しくださいました。

インスリン遺伝子異常糖尿病は、単一遺伝子異常による糖尿病の一種です。この疾患は、インスリン合成・分泌に関する遺伝子やその発現を制御する転写因子の異常によって発症します。京都大学iPS細胞研究所ではiPS細胞を使って病態を再現し、原因因子の特定、投薬効果の測定などの研究を行っています。

エジプト出身のRashwan先生はもともとエジプトでは獣医をしておられたとのこと。動物の治療は人間のように細分化されておらず、すべての部位の疾患治療にあたる経験が、研究者として役立っているということです。

難しい内容でしたが、質疑応答では研究について、エジプトについて生徒が熱心に質問し、先生も一つ一つ丁寧に答えてくださいました。

最新の医学研究について学ぶ貴重な機会を得られ、とても良い時間でした。

サイエンスカフェを開催しました!

11月18日(月)にSSH部生物班の生徒が、サイエンスカフェを開催し、「明和生が追う!タヌキの生態調査報告」を行いました。

学校に近い柳原商店街内にあるカフェ“バオバブの木”に、近隣に在住・在学・在勤されている方々が集まってくださいました。

明和高校近くの名古屋城外堀周辺には、タヌキやキツネアナグマなどの野生動物が住んでいます。日頃の調査活動の様子や調査結果について報告すると、このような都会にさまざまな動物が住んでいることを驚く方々もいました。また、参加者からも地域で見かける動物について教えていただきました。

地域に住む動物をテーマに、地元の方々と楽しく交流することができました。

MCⅢ特別講義「小さな生き物から学ぶ生物のしくみ」 第1回(講義)

令和6年11月18日(月)3年生普通科理系生物選択生徒を対象に、名古屋大学大学院理学研究科 森 郁恵 名誉教授により、線虫C. elegansをモデル生物として生命のしくみを解析する学際研究について紹介していただきました。

生徒は、線虫の細かな生体構造や神経回路が多くの研究者によって解明されていく過程を知り、長期間にわたる努力が研究の進展につながっていることに感動しました。RNA干渉など、多くの発見が線虫の研究を通じて解明されていることにも非常に興味を持ちました。線虫の温度走性の研究はまだ解明されていない部分が多く、その魅力にも惹かれました。

森先生の講義から、研究者として、自分の興味を徹底的に追求し、常に新たな発見を目指していくことが大切だと学ぶことができました。また、研究者同士の交流が研究の進展を促進すること、仲間の重要性も知ることができました。

MCⅢ特別授業を実施しました

MCⅢ特別授業「飛ぶ」を3年理系クラス(304~308)を対象に実施しました。

1回目の授業では、風散布種子(アルソミトラ・マクロカルパ)についての講義や、翼の形状や上反角に関する内容(ベルヌーイの定理を含む)についての講義を行いました。これに加えて、班ごとに、模型の製作も行いました。

2回目の授業は、明和館(体育館)で、各班の模型の飛行時間を測定し、改良を加えました。改良作業の際は定量的な視点で取り組むことを心掛けました。

3回目の授業では、改良した模型についてのプレゼンテーションと相互評価を行い、滑空時間が長かったものについては、その理由を考察しました。

本特別授業では、生物や物理といった学びを基盤に、異なる分野の知識や情報を活用し、課題の発見と解決に向けた統合力や、社会的価値を創出する力を育成することを目指しました。生物と物理の教員がティームティーチングにより、生徒が主体的な探究活動を行い、多角的な視点から深い理解を得られるよう支援しました。