日本学術振興会主催のサイエンス・ダイアログを、今年も本校で開催しました。京都大学iPS細胞研究所のAhmend Mohamed Rashwan先生と藤井佳穂先生が、ヒトiPS細胞を用いたインスリン遺伝子異常糖尿病の病態解明と治療戦略についてお話しくださいました。
インスリン遺伝子異常糖尿病は、単一遺伝子異常による糖尿病の一種です。この疾患は、インスリン合成・分泌に関する遺伝子やその発現を制御する転写因子の異常によって発症します。京都大学iPS細胞研究所ではiPS細胞を使って病態を再現し、原因因子の特定、投薬効果の測定などの研究を行っています。
エジプト出身のRashwan先生はもともとエジプトでは獣医をしておられたとのこと。動物の治療は人間のように細分化されておらず、すべての部位の疾患治療にあたる経験が、研究者として役立っているということです。
難しい内容でしたが、質疑応答では研究について、エジプトについて生徒が熱心に質問し、先生も一つ一つ丁寧に答えてくださいました。
最新の医学研究について学ぶ貴重な機会を得られ、とても良い時間でした。