MCスプラウト サイエンスツアー「関東研修」

8月4日(月)から8月6日(水)の日程で、2泊3日の関東研修を実施し、1・2年生合計30名の生徒が参加しました。

1日目は、JAXA筑波宇宙センターと高エネルギー加速器研究機構【KEK】で研修を行いました。

JAXAでは、宇宙航空研究開発機構 チーフエンジニア(有人部門担当) 坂下哲也氏より、宇宙生活や宇宙開発等宇宙全般におけるご講義をいただきました。宇宙環境やISSでの生活・実験の内容、また理学・工学といった将来の選択にかかわる内容を話していただき、生徒の進路選択の糧をいただきました。その後は展示室で実際に使われていた人工衛星の模型などを見学しました。

KEKではまず小林誠先生(明和高校卒業生・ノーベル物理学賞受賞者)より「量子力学の100年」と題して、ご講義いただきました。2025年が量子力学誕生から100年の節目ということで、ラザフォードの実験、ボーアの原子模型からハイゼンベルクの行列力学、シュレディンガーの波動力学までの話をしていただきました。その後、BelleⅡ測定器とフォトンファクトリーを見学させていただきました。両設備とも点検中ということで実験施設内まで入らせていただき、間近で説明をしていただきました。

2日目は、気象庁地磁気観測所へ行きました。初めに地磁気観測歴18年というベテランの長町信吾氏から地磁気の諸要素や地磁気観測の方法とそこから分かることなどについてご講義いただきました。その後、実際に地磁気観測を体験させてもらい、その結果から芝生の中に埋められた強力磁石の場所を探るという実習を行いました。初めて学ぶ内容で高精度な観測器具も用いての実習ということもあり、印象に強く残る実習となりました。その後、各施設の見学をさせていただきました。昔からの機器も現役で使われている一方で、ロストテクノロジーになっている機器もあり、地磁気測定の難しさが分かりました。

3日目は、東京大学大学院理学研究科の塩見美喜子先生の研究室を訪問しました。塩見先生からは「小さなRNAによる生体の仕組みの制御」と題して、ご講義いただきました。遺伝子の量は体のつくりが複雑な人間と体のつくりが単純な実験動物であまり変わらないが、複雑な生物には選択的mRNAスプライシングや非コードRNAの働きによって複雑さを実現していることなどを学びました。その後、塩見先生の研究室に所属している学生の方々から受験や大学生活についてお話しいただき、大学構内を案内していただきました。

また、明和高校の卒業生である現役東大生との座談会を行いました。高校の先輩という身近な存在であるおかげで、受験のことや理系・文系の選択や学部の選択について、ざっくばらんにお話を聞くことができました。

今回の関東研修で、生徒たちは多くのことを学び、充実した3日間となりました。そして高校卒業後の進路や研究したい分野、将来の職業について考える良い機会となりました。