令和7年11月5日(水)MCⅢ特別講義「小さな生き物から学ぶ生物のしくみ」の2回目を開催しました。
2回目の講義では、名古屋大学 野間健太郎准教授より、モデル生物として広く利用されている線虫 C. elegans を題材に、
「遺伝子が生物の形や行動をどのように決めているのか」
「神経細胞の働きをどのように調べるのか」
「線虫研究が人間の生命科学や医療にどう役立つのか」
といった生命科学の基礎研究について学びました。

実際に顕微鏡で線虫を観察し、遺伝子を1つ変えるだけで姿や動きが大きく変化する様子を目の当たりにしました。神経細胞をランダムに破壊し、その役割を行動の違いから推定する方法や、化学走性・温度走性といった線虫の行動特性も体験的に理解しました。

線虫が人間と多くの遺伝子を共有していること、寿命が短く変化がすぐに見えることから、老化研究や薬の作用機序の解明にも役立つことを知り、研究の意義や魅力に触れました。
生きた線虫をその場で比較しながら観察することで、「教科書で見るだけでは気付かなかった遺伝子の働きの重大さ」や「小さな生物から大きな発見が生まれる面白さ」を実感できる講義となりました。

生徒の感想
「ランダムに神経細胞を破壊して、動きの違いを観察することでその破壊した細胞がどんな役割を担っていたかを調べる、という実験方法にとても興味を持った。『〇〇があるからこう』だけでなく『〇〇はないからこう』という考え方を覚えておきたい。」
「線虫の研究から得られた結果がそのまま人間にも適応できるわけではないけれど、それを利用して人間に応用していくことにとても興味がわいた。」
