10月23日(木)に、筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構 機構長の柳沢正史先生を講師に迎え、記念講演を開催しました。


最初に柳沢先生が本校生徒の睡眠時間を挙手で確認されたところ、本校生徒の多くが恒常的に睡眠不足であることが発明しました。日本の中高生の多くが同じ状態であり、個人差はあるが高校生の年代なら8.5時間は寝ないと足りない、大人でも睡眠時間が足りていると思っている人の約4割は隠れ睡眠不足の状態である、という説明がありました。睡眠不足は個人の身体的な健康や、精神的な健康に留まらず、社会の生産性大きく影響していることを、豊富なデータを示しながら説明していただき、睡眠は思っているより多くのことに影響することが分かり、しっかりととる必要があることを改めて認識しました。
また、「オレキシン」を発見した際のことも話してくださいました。当初期待していた働きと実験結果が食い違い、一度は解明を諦めかけたそうです。しかし、あきらめずに実験・観察を続る中で、オレキシン欠乏に伴うナルコレプシーの症状に似ていることに気づき、「オレキシン」は睡眠・覚醒に大きく関わる物質であることが解明されました。世界初の発見をする難しさと研究の面白さがよく分かりました。
