MCスプラウト 数学 夏の学校「ロボットは数学の大学入試問題をどうやって解くか?」

8月2日(火)、筑波大学数理物質系・人工知能化学センター准教授の照井章先生に「ロボットは数学の大学入試問題をどうやって解くか?」というテーマの講座をお願いした。
参加者は、71名であった。

人工知能プロジェクト「ロボットは東大に入れるか」に関連して、数式処理を用いて数学の問題を解く方法について紹介していただいた。
その前段階として、集合と命題、論理記号、述語について簡単に講義していただき、日本語の問題文を1階述語論理式に書き換え、限量記号消去を行う流れを、具体例を混ぜながら分かりやすく説明していただいた。

入試問題を解くことだけでなく、コンビニ商品の在庫の管理などの、数理最適化問題において、1階述語論理式で表現できる問題は存在し、限量記号消去の考え方は、数学以外の世界でも応用が可能であることを学んだ。
最後に質疑応答に時間が設けられ、多くの受講者が積極的に質問していた。人工知能の可能性とその限界について深く考えさせられる内容であった。

多くの生徒が、数式処理や限量記号消去(QE)に興味を持ち、人工知能が入試問題を解くことを通して、人工知能の限界や、自分が問題を解く際の方略について、考える機会になっていた。講義をしてくださった照井先生は、中高生が授業で扱うような基本的な問題を扱ってくださり、未習の内容については、その都度、丁寧にかつ分かりやすく説明をしてくださっており、生徒は説明を聞きながら問題を考えることができていた。生徒にとって、学習している内容がどのように応用されていくのかを知ることができ、大変貴重な機会であった。