12月26日に、シンガポール海外研修の事前研修として名古屋造形大学の先生をお招きして講義をしていただきました。シンガポールの特徴の一つとして、先進的で独創的な建築・テクノロジー社会があげられます。現代の社会は、テクノロジーとアート、文化や経済が融合して形成されています。今回は多角的な視点から芸術大学ならではの講義をしていただきました。現在注目されているSTEAM教育(科学・技術・工学・芸術・数学の融合教育)を実際に体現した素晴らしい講義内容でした。
- デジタルテクノロジーとアート:鍜島 康裕 先生 (名古屋造形大学・情報表現領域)
ノーベル物理学賞のペンローズ氏や造形作家のテオ・ヤンセン氏の作品から、自然界の造形と数学・物理学との関係性についてお話いただきました。生物の複雑な縞模様はどのようなプログラムによって描かれるのか、チューリングパターン(写真)について数式をもとに解説していただきました。
- サステナブル建築:伊藤 維 先生 (名古屋造形大学・地域社会兼領域)
建築事務所を経営されている伊藤先生が実際に設計された建造物をもとに、サステナブル建築についてお話しいただきました。“建設する→使う→壊す”の固定的なサイクルではなく、柔軟な視点でとらえることで建物の価値や素材を最大限に活かすことができる。建物を単なる構造物ではなく、“人の営み”が生まれる空間としてとらえ、流動的に考える視点をもつ必要性など建築の可能性や多角的で柔軟な視点の持ち方について学ぶことができました。