ITOガラスのエッチング(Etching)について


1 マスキング(Masking)方法 ・・・ 溶解させたくない部分を保護する。

  ※ ITOガラスの導電面のチェック

     ・ デジタルマルチメータの「抵抗値」-サウンドを選択する。

 ・ 端子の先をガラスに当て、通電するか確かめる。

 ・ ITO面を傷つけないように気をつける。

 (1) テープ法
  ①ITOガラスのITO蒸着面にテープを貼る。
     

  ②デザインに沿ってカッターで切る。
    

  ③不要な部分をはがす。
   


 (2) ペン描き法
  ①ITO蒸着面にペイントマーカーでデザインを描く。

    

  ②よく乾かす。 ・・・乾いていないと剥がれやすい

  エッチング後はacetone(アセトン)でマーカーを溶かして除去する。


2 溶解方法 ・・・ ITOを溶かす

  ①ITO面にマスキングする
   
  ②溶解液で溶かす
   
  ③マスキング部以外が溶ける
   
  ④マスキングを除去する 
 
   

 (1)「亜鉛粉+塩酸」法
 ITO面にZn(亜鉛)粉末を振りかけ、そこに 1mol/L
 HCl(塩酸)をかける。 Zn + 2HCl → ZnCl₂ + H₂
 の反応でZnは溶けるが、その時発生する H₂(水素)
 によりITOが還元される~O(酸素)が奪われる。
 還元された In(インジウム)とSn(スズ:Tin)が
 HClによって溶かされる。
 ◎比較的安全、すぐ反応する。
 △制御がしにくい、
 △Znの粒径が大きいとうまく反応しない。

 (2)「王水」法
 HCl(塩酸):HNO₃(硝酸)=3:1で混合した
 酸化力の強い酸で溶解する方法。
 ◎コントロールしやすい、
 ◎工業的にはこの方法が多い。
 △Cl₂(塩素)ガスが発生、危険。